海うそ

 

海うそ

海うそ

 

 2015年読了1冊目。

 

 

(以下、少々ネタばれあり。)

昭和の初め、南九州にある遅島(たぶん架空の島?)を

人文地理学の研究者が訪れる。

梨木香歩さんが作り出す遅島の地形、気候、風土。

どれもが文章を通じて、肌に感じられるようだ。

とくに寺の廃墟のあとは、なんだか天空の城ラピュタのようで

空虚な風がそこを吹き抜けて行くさまを感じた。

そして、50年後の島。

50年の時がどのように島を変えたのか。

ついさっきまで50年前にいた私(読者)は、

現在になかなか頭がついていかなかった。

50年時を経た自分が再びそこを訪れるという感覚が。

さらっと読むには不向きな本。

もう少しじっくり読んだほうがいいのかもしれない。

(といいつつ、貸し出し期限が来たので返却しなくては。)