「よるのいえ」から「これは王国のかぎ」へ(2023.12.9追記)

先日、ある絵本(「よるのいえ」という絵本です)を手に取った時に、その絵本の作者は「オクスフォード版わらべうたの本」のなかの「これはおうこくのかぎ」が大好きで、この絵本の形を思いついたとあとがきに書かれていました。

 

あれ?「これはおうこくのかぎ」って、確か荻原規子さんの作品の中になかった?と確認したら、やっぱりありました。彼女の初期の作品だそうです。

この本(「これは王国のかぎ」のこと)の最初に、谷川俊太郎さんが訳した「これはおうこくのかぎ」(「マザー・グース3」(講談社)より)が載っています。

なるほど、この「これは王国のかぎ」というのはマザー・グースだったんだと、今更ながら気づいた次第です。

 

そしてこの本は荻原さんのあとがきによると、リムスキー=コルサコフの交響組曲「シェエラザード」を聴きに行き、各楽章で異なる情景がまざまざと目に浮かび、「わあ、これはお話だ」と思ったのだとか。そしてこの四つのシーンを含んだ物語が創作出来ないかと何度も試み、出来上がったのがこの話だそうです。

確かに目次をよくよく見てみれば、

 前奏

 第一楽章 海とシンドバッドの船

 第二楽章 カランダール王子の物語

 第三楽章 若い王子と王女

 第四楽章 バクダードの祭り

と、組曲仕立てになっていました。(あとがき読むまで気づかなかった。^-^;)

 

シェヘラザード (リムスキー=コルサコフ) - Wikipedia

 

物語は中学生の『上田ひろみ』が、あることがきっかけで、このアラビアンナイトの世界に突然行ってしまうところからはじまります。

その後の展開は、まるでジェットコースターに乗っているように、次々に場面がかわっていくので、いったい(読者は)どこに連れていかれるのか、皆目見当もつかないのです。気になってあっという間に読んでしまいました。

 

角川文庫版には書き下ろし短編がついています。

 

面白かったので、続いて荻原規子作品「樹上のゆりかご」を読んでいます。

今度は『上田ひろみ』の高校生編。

あれだけ波瀾万丈な冒険をしたのに、しれっと普通に高校生活を送っているひろみちゃんでした、笑。(まだ読んでいる途中)

 

(追記)

交響組曲「シェエラザード」の動画を貼り付けました。

どんな曲だったかな?と思われた方はこちらをご覧ください。

kazenonaka.hatenablog.jp