リチャード・ジョーンズの描いた絵本を追っての第4弾は「ヨシ」という日本の名前をもつアカウミガメの話です。
この話の前半(ヨシが保護されるまで)は、たぶんこうであっただろうというフィクションですが、後半の話は実際にあったお話です。
前に「月のふしぎ」のことを書いた記事で、満月の日にウミガメのあかちゃんが生まれる話がありましたが、この本のウミガメも満月の夜に誕生し、そして海を目指します。
無事、海に辿り着いたカメは、海中をいろいろな魚やジンメイザメなどとともに泳ぎます。
ある時、カメは不運なことに網にひっかかり、その網と泳ぎ続けていましたが、日本の漁船に助けられました。
そしてカメは「ヨシ」と名付けられ、彼女は南アフリカのケープタウンにある水族館に預けられます。
20年間、水族館で過ごしたヨシ。すっかり大人のカメになったので、ヨシを海に帰すことになりました。
一定の訓練を受けたのち、ヨシは海に戻されます、発信機をつけて。
ヨシの泳いだ軌跡がすごいです。
動物の持つ帰巣本能って、ほんとにミラクル。
長距離を旅する動物たち、彼らは一体どのような力に導かれて自分の生まれた場所に戻るのでしょうね。
カメは100年生きるともいわれているそうです。
ヨシは今でも故郷の海で泳いでいるのでしょうか。
ヨシ 3万7千キロをおよいだウミガメのはなし
リン・コックス/文 リチャード・ジョーンズ/絵 いわじょう よしひと/訳
あすなろ書房 2023
YOSHI, SEA TURTLE GENIUS by Lynne Cox & Richard Jones
Random House Children's Books. 2023
ヨシのリリース動画がありましたので、貼り付けておきます。