少し前に我が家に迎えた本。
海のものがたりー海藻押し葉で紡ぐいのちー
ヘレン・アポンシリ/作 リリー・マレー/文 井上 舞/訳 化学同人 2022.7
この本は海藻や海辺の花々、
そして庭に咲く植物を押し葉にして描かれたものだそうです。
表紙のシャチがまず目を引きます。
この表紙を額に入れて飾りたい。
そしてそっと本を開くと、見返しの美しさにうっとり。
それはまるで竜宮城に迷い込んだような感覚。
タツノオトシゴもカメもクラゲもヒトデもチョウチョウウオも
生き生きとしていて、それらがすべて海藻で描かれているのです。
もくじをみると、
「海岸」「熱帯」「外洋」「極海」の四つのテーマに分かれ、
それぞれの海の生き物たちの生態を紹介しています。
まず、最初の「海岸」では海鳥の説明。
ニシツノメドリはその昔、
カナダのニューファウンドランド島でみたことがあって
とても思い出深い鳥です。
(向こうではパフィンと呼んでいました。)
とても特徴的なくちばしをしているのですが、
冬になるとなんとくすんだ灰色になるんですって!
知らなかったなぁ…。
↓ニシツメドリはこんな鳥です。
おどけたようなお顔が愛らしいです。
この本では海藻で描かれたパフィンは、まるでピエロのようでした。
そして次のページをめくると、まるで磯にいったような気分。
そこから海のものがたりがスタートします。
珊瑚礁の海から外洋にでて深海、そして南極や北極海へ。
いつのまにか世界中の海へと誘われているのでした。
もともと海藻の押し葉というのは、
学術的な目的で作られていたそうですが、
今は海藻押し葉アートが確立されているみたいです。
この作者のヘレン・アポンシリは英国イーストサセックス州に在住。
この本に使われている海藻たちは、イギリス南部の海岸に
しけた海から渚へと打ち寄せられ残されたものを使っているそうです。
できるだけ環境を傷つけないよう、注意しながら集めたとの言葉がありました。
(追記)
出版社のこの本の紹介サイトに行くと、
この本を作る過程の動画を見ることができます。
また、試し読みもできますので、ご興味のある方はどうぞ。^-^
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