Now,Dasher! Now,Danser! Now, Prancer and Vixon!
On Comet! On Cupid ! On Donner and Blitston!
サンタさんのそりをひく「トナカイたち」に名前がついているのは
テンプテーションズの「THE TEMPTATIONS CHRISTMAS CARD」
というアルバムの中の
「RUDOLPH THE RED-NOSED REINDEER」のイントロで出てくるので、
なぁんとなくわかっていたような、いなかったような・・・(笑)。
でもそれが、クレメント・ムーアの詩からはじまったと知ったのは
この「詩」を題材にした絵本を手にしてからのことでした・・・。
神学者であったクレメント・クラーク・ムーアが
1822年のクリスマス・イブ に、自分の子どもたち向けに書いた
「セント・ニコラスがやってきた」という一編の詩。
この詩がもとになって、
サンタ・クロースやトナカイたちの具体的なイメージが
世の中に広がっていったそうです。
ここでは我が家にある
お気に入りの「The Night Before Christmas」を
ご紹介したいと思います。
(同じ「詩」で、いったい何冊持ってるんだ~って、
つっこまないでね・・・笑。
要するに好きなんです、ハイ。)
この記事は昔作った「風のなかー絵本の小径ー」というタイトルのHPに載せていたものです。生協のインターネット事業からの撤退に伴い閉鎖となりますので、こちらに記事を移すことにいたしました。絵本はずっと残っていくと思っているので、少し修正や追記も加えながら、記事を順次移していっています。(20年以上も前に書いた記事なので中には絶版になっているものもありますが、気になった本があれば、図書館で探してみてください。)
ここでは我が家の本棚にあるクリスマスの本をご紹介しています。クリスマスの本は多いので、テーマ別に編集しています。また、この記事を書いた以降に迎え入れた本も追加で記しています。
■あすはたのしいクリスマス
トミー・デ・パオラ・絵 クレメント・ムーア・詩 ほるぷ出版 1981
The Night Before Christmas by Clement Moore illustrated by Tomie de Paola Holiday House 1980
我が家がこの「詩」の絵本に出会ったのは、図書館でふと手にした、トミー・デ・パオラの「あすはたのしいクリスマス」が最初でした。赤とオレンジの四角いタイルのような縁取りの中に、満月をバックにそりにのるサンタさん。その夜のブルーの色合いと白い雪山の絵の表紙に、一目でお気に入りとなりました。そして、中をひらくと、またそれぞれのページに、縁取りがされていて、とっても素敵なんです。それから、ぷっくりとした薔薇色ほっぺのサンタさんのウィンク♪・・・愛嬌があって、思わず「くすっ」となってしまいました。
娘はこの「詩」の絵本の中では、この本が一番のお気に入りです。しかし、とっても残念なことに日本版は品切れor 絶版。でもどうしても欲しくって、去年の秋に洋書を手に入れました。そうして、洋書を手にしてみると・・・「詩」を原文そのままで味わう楽しさを発見!(たとえば、クレメント・ムアの原文では、サンタクロースは「St.Nicholas」とか「St.Nick.」ってなっているのね~という具合です。そんなわけで、 洋書もおすすめです~♪)なお、日本版をご覧になりたい方は、図書館で探してみてくださいね。(2001/11/25)
(追記)
↑この記事を書いた頃は品切れになっていたのですが、
その後、無事再販されたものを入手しました。
そして2023年11月現在、ほるぷ出版のサイトに確認しましたら只今重版中でした。
クリスマスシーズンには出てくるかと。^-^(2023.11)
■The Night Before Christmas
CLEMENT CLARKE MOORE illustrated by TASHA TUDOR SIMON & SCHUSTER 1975
ターシャ・テューダーは、この「詩」を題材にして、1962年、1975年、そして1999年と、3度も「絵本」を描いています。それだけ彼女にとって、とてもお気に入りの「詩」だということなのでしょう。この私の手元にある洋書は、1975年の2回目に描かれた絵のものです。(日本版は偕成社から「クリスマスのまえのばんーサンタクロースがやってきた」1980年初版としてでていましたが、現在は絶版です。ご興味ある方は図書館にてお探しくださいね。)
赤い縁取りに、ブルーの表紙、そしてあたたかな暖炉の前には、サンタのおじさんとコーギーと猫ちゃん♪・・・見返しには、プレゼントのおもちゃで遊ぶ愛らしい子どもたちの絵♪・・・そして、中はカラーのページと白黒のページが交互に構成されていて、パパが密かにサンタさんを発見する様子、サンタさんとコーギーと猫ちゃんたちの交流の様子が描かれています。ターシャらしい、柔らかであたたかな雰囲気が漂う、素敵な1冊です!
(2001/11/27)
(追記)我が家にある洋書
サンタさんが小さくて可愛らしいんです。(2023.11)
■クリスマスのまえのばん
ターシャ・テューダー・絵 クレメント・ムア・詩 中村妙子・訳 偕成社 2000(改訂新装版)
The Night Before Christmas CLEMENT CLARKE MOORE illustrated by TASHA TUDOR 1999
こちらは、1999年にターシャが全面的に書き直した、最新の「クリスマスのまえのばん」です。シックな装丁、そして、夜の色をあらわす藍色のバックに、1枚、1枚、大切に額におさめるようにして、丁寧に絵が描かれています。
この絵本の中で、「ああ、ターシャらしいなぁ」と感じたのは、暖炉があかあかと暖かそうに燃えている、そのかたわらに、サンタさんへの「差し入れ」を、ちゃあんとご用意していることなんです♪(でも、それを実際にいただいているのは、サンタさんじゃないんですけれどね・・・笑。余談ですが、我が家も去年はクリスマスツリーの横に、ケーキと紅茶をサンタさんのために、ご用意しました♪そして翌朝、娘は目覚めると、まっさきにツリーのもとに確認に行って、「サンタさん、ぺろりと食べちゃった!」と、プレゼントのことも忘れて、とっても嬉しそうだったんですよ、笑。)・・・ターシャはこの本で、「詩」にはない物語を、「絵」のなかで作っていき、お話をひろげているようです。(サンタさんがえんとつから出てくるシーンでも、床下でも、なにやら別の物語が進行していますよ・・・ふふっ♪)そして・・・月明かりに照らされ、舞い降りてくるサンタさんのそりのページは、本当に美しく幻想的な雰囲気たっぷりで、思わず溜息が出ちゃいます。
シックでとてもおしゃれな1冊・・・大人の方へのプレゼントにも素敵な本です♪
(2001/11/25)
(追記)
こちらは今でも手に入ります。(2023,11)
■クリスマスイヴのこと
クレメント・ムーア・詩 アニタ・ローベル・絵 松井るり子・訳 セーラー出版 1993
The Night Before Christmas CLEMENT C. MOORE illustrated by Anita Lovel 1984
元テキスタイルデザイナーのアニタ・ローベルが描くと、同じ「詩」がまったく違う「詩」であるかのように、都会的でおしゃれなんです。まず最初に本を開くと、月明かりに照らしだされた、雪が積もる都会の町並みがあらわれます。それはまるで、映画のはじまりを見ているよう。(彼女は舞台女優もしているらしいので、映像的な演出が上手いのかなとも思います。)・・・さて、しばらくするとサンタが町にやってきましたよ!・・・アニタ・ローベルの手にかかると、サンタさんのソリも、なんておしゃれなデザインなんでしょう♪・・・そして、えんとつから入ってきたサンタさん、やっぱりどこか洗練された雰囲気を醸し出しています。さて、いよいよサンタさんが帰るとき、銀色のにっこりおつきさまに照らし出され、そりが空高く舞い上がっている姿は、とってもロマンチックで、素敵なクリスマスを迎えられそうです♪
松井るり子さんの訳詩は、リズムがあって、とても心地よく読めるので、訳詩の中で一番のお気に入りです。
(2001/12/2)
(追記)
セーラー出版さん、今は「らんか社」と社名変更されていました。
そして、この本は絶版のようです。
さて、ここからはその後我が家にやってきた本です。(2023.11月追記)
■クリスマスのまえのばん
クレメント・C・ムーア/作 ジェシー・W・スミス/絵 ごとうみやこ/訳 新世研 2001
この本に登場するサンタさんは黒い服を着ています。赤い服のサンタさんが定着したのはある飲料会社の宣伝で使われて以降のことなのだそうです。この本の出版は1912年、その頃はまだサンタさん、地味な(?)服装だったのですね、^-^;
当時のクラシカルな絵は、どこかグリナウェイを彷彿とさせます。
上段に英語の詩、下段に日本訳が書かれています。(2023.10.27)
今はもう入手できないようです。黒い服のサンタさんが見てみたい方は、図書館にて探してみてください。
■クリスマスのまえのよる
クレメント・C・ムーア/作 ニルート プタピパット/イラスト 大日本絵画
とても繊細な仕掛け絵本です。影絵のような黒を基調にして赤と緑が差し色に使われています。最後のページの飛び出すトナカイたちには思わず素晴らしいと手をたたきたくなります。プレゼントにぴったりな絵本です♪
(2023.10)
日本語版は入手可能です。^-^
我が家にお迎えしたのは洋書版。2013年に入手していました。
最後のトナカイのシーンはこちらに載せています。
↓
■The Night Before Christmas
CLEMENT CLARKE MOORE Robert Sabuda
ロバートサブダのポップアップ絵本です。こちらもとても細やかて美しい仕掛け絵本です。プレゼントにぴったりな絵本なんだけれど、今、中古品しか出回っていないみたいですね?日本版でよいので、再販されることを願ってここに記しておきます。(クリスマスシーズンになったら、再販されるかもしれません。大日本絵画さん、よろしくお願いします。) (2023.10)
↓日本版
■クリスマスのまえのよる
クレメント・C・ムーア/詩 ロジャー・デュボアザン/絵 こみや ゆう/訳 主婦の友社 2011
The night before Christmas CLEMENT C.MOORE Illustrated by ROGER DUVOISIN GARDEN CITY BOOKS 1954
この本は縦長な絵本です。それはイブの夜に子どもたちが暖炉の横にそっとかけてプレゼントを楽しみにした「くつしたサイズの絵本」だからなんだそうです。この絵本の絵を描いたのは、深まりゆく秋の絵本でご紹介した「きんいろのとき」の絵を描いたロジャー•デュボアザンです。赤色と黒色のページと黄色と緑色と青色と赤色のカラフルなページが交互に構成されたところはちょっとクラシカルだけれど、それがかえっておしゃれな感じなのでした。
こちらの本は2023年11月現在、出版されています。
私もつい先日、丸善で手に入れました。^-^ (2023.11)
追記
このThe night before Christmas という詩はとても人気なのでしょうね。
うちにない絵本もまだまだあるし、今年また新たな絵本も誕生しています。
たとえば…
こちらは昔からあるとてもクラシカルな絵本です。セントニコラス(サンタさん)は赤い服ではなく、青い服に黒いコート、帽子も黒いですね。
赤い服のサンタさんが定番になる前は、この黒い服が一般的だったってことでしょうか?
なんだかサンタさんと言うよりはただの陽気なおじさんにしか見えないですが、^_^;
作られたイメージってすごいですよね。
おそるべし、某飲料メーカーの力。
いっぽう、こちらは今年出た絵柄がポップでおしゃれな絵本。
訳は坂本龍一さんと矢野顕子さんの娘さんで、歌手である坂本美雨さんです。(2023.11)