「ピーターラビットのふるさとをまもりたい」から「ビアトリクス・ポターの日記」へ

最近、ピーターラビット関連のものをたくさん手にとっています、^-^;

図書館から「ピーターラビットのふるさとをまもりたい」という絵本を借りました。

この本はビアトリクス・ポターについて描かれた絵本です。

ポターの一生をわかりやすく簡単に知ることができますが、絵はすべてイラリア・アービナティという方が描かれているので、ポターが描いた絵は登場しません。(またこの本では、ポターとノーマンとの悲恋の話も出てきません。)この絵本の焦点は表題のとおり、ポターが湖水地方を開発の手から守ったことなのだろうと思います。

この本からピーターラビットのおはなしだけでなく、そうした自然を守ろうとしたポターの姿勢を知れるのはいいですね。^-^

 

↓こちらは以前紹介した「グロースターの仕たて屋」に登場する市長さんのチョッキ(レプリカでなく本物)を展示しているヴィクトリア・アンド・アルバート博物館が出しているポターの伝記絵本です。

上記の絵本よりさらに詳しく知りたい方向け。

kokagenohondana.hateblo.jp

さて、さきほどの「ピーターラビットのふるさとをまもりたい」の最後のページに作者のあとがきがあり、そこに「もっとビアトリクス・ポターのことを知りたい人に」という項目があって、いくつかの本を紹介しています。

その中に、大日本絵画が出している「ビアトリクス・ポターの日記 しかけえほん」というのがありました。

え?もっとポターのことを知りたい本が仕掛け絵本なの?と、少々驚きながら、本を検索。

仕掛け絵本なので、当然ながら図書館には見あたらず。

本の通販サイトで表紙の画像を見て、即、ポチりました。^-^;

 

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ビアトリクス・ポターの日記 しかけえほん ビアトリクス・ポター/作 上野和子/訳 大日本絵画 2013

BEATRIX POTTER: A JOURNAL by Beatrix Potter  Frederick Warne &Co. 2006

付録にピータラビットのおはなし」(自費出版バージョンのもの)がついています。

 

さて、本を開けて見返しの部分にはこう小さく書かれています。

 This is a work of fiction based upon Beatrix Potter's journal and letters.

(この仕掛け絵本は、どうやらポターの日記や手紙に基づくフィクションということらしい)

で、その同じページに日本語訳となって大きく書かれているのは、ポターが編集者にあてたと思われるお手紙です。それによると、「ピーターラビットのおはなし」と、そのほかの本がどのようにつくられたか、新たに書くより、過去の自身の日記を読んでいただければと、描かれています。

こうして、ポターの日記といくつかの手紙などが、このような本という形で私たちも読めるということですね。^-^

 

次のページをめくると、日記は16歳から書き始めたとあります。

日記のほか、その頃の写真やスケッチ(飼っていたベンジャミン・バニーやとかげのジュディのスケッチ)などが散りばめてあります。

また、彼女が影響を受けたであろう昔の巨匠たちの展示会のパンフレットが仕掛けで登場したり、弟の手紙がついていたり。

弟の手紙の内容は事情を知らずに読んだら結構ショッキングな内容(コウモリを生かして飼うことができないなら、コウモリを殺すしかないこと。剥製にしてくれという内容)なので、弟がポターに託したコウモリが病気になったことはちゃんと書いていてほしかったなと思うところはあるけれど。←この経緯は他の本で読んで知りました。

郵便配達人のチャーリー・マンキントッシュ氏の写真がマクレガーさんにそっくりだとか、少々の小ネタをはさみつつ、ノエルにあてたお手紙(ピーターラビットのお話の原点)も仕掛け絵本で登場します。

うん、まるでこちらがノエルになってお手紙を受け取った気分です。^-^

あと、絵本にしたときの色校正の話とか、少々マニアックな資料も。

フィアンセだったノーマンが亡くなる前後のポターの日記は、別の本に依ると、残されていないとのことでしたが、この本には8月24日と29日の分があります。これはあとで書きくわえたと編集者の手紙に書かれていた部分にあったのかもしれませんね?

 

ところで、この本の表紙と見返しの花模様ですが、これも他の本(「ピーターラビットからの手紙」求龍堂)の中で見つけました。「ポター染め」のキャラコで、デラックス版の装丁につかわれていたようです。

(そういえば、うちのコがイギリスで買ってきた限定版も布張りの装丁でした。よく見ると、市長さんのチョッキ全体に施されていた刺繍柄でした。^-^; ←今頃になって気づく。)

kokagenohondana.hateblo.jp

 

というわけで、この本は子ども向けではなく、ポターを知りたい大人向けの仕掛け絵本だと思いました。

少々お値段ははりますが、私的には大満足。^-^

「ピーターラビットからの手紙」についてはまた別の機会に。

 

(おまけ)

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これは昔買ったウェッジウッドのピーターラビットのクリスマスプレート。

今はウェッジウッドさん作ってないんです、クリスマスプレート。

また作って欲しいと密かに思っています。